○春日・大野城・那珂川消防組合消防本部救助業務規程

平成18年10月1日

訓令第2号

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号)第36条の2及び春日・大野城・那珂川消防組合消防本部消防活動基本規程(平成21年訓令第3号。以下「基本規程」という。)に定めるもののほか、救助活動に関する基本的事項を定め、もってその適切かつ円滑な運営を図ることを目的とする。

(平21訓令6・令5訓令3・一部改正)

(定義)

第2条 この規程における用語の意義は、次の各号に定めるところによる。

(2) 救助活動とは、災害若しくは事故により生命又は身体に危険が及んでおり、かつ、自らその危険を排除することができない者(以下「要救助者」という。)について、その危険を排除し、又は安全な状態に救出することを目的として実施する活動及びこれらに付随する活動をいう。

(3) 隔離作業とは、人的被害の発生源となるものを排除し、又は危険の急迫している者をその場から安全圏まで避難させる作業をいう。

(4) 救助困難対象物とは、災害が発生した場合、多数の人命損傷又は被害を伴うと予測される対象物で次に掲げるものをいう。

 消防法施行令(昭和36年政令第37号)別表第1(1)項から(16)項に定められたもののうち、要救助者の救出が著しく困難な対象物

 中高層建築物

 指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う対象物及び高圧ガス、毒物、劇物、火薬類を取り扱う対象物

 その他消防長が必要と認める対象物

(令5訓令3・一部改正)

(救助活動の執行)

第3条 消防署長(以下「署長」という。)は、災害の状況により特に必要と認めるときは、救助隊以外の消防隊に救助活動を行わせることができる。

第2章 救助隊の編成等

(救助隊の編成)

第4条 救助隊は、救助隊員(以下「隊員」という。)及び救助活動に必要な救助器具を装備した救助工作車をもって編成する。

2 前項の隊員は、救助活動に関する基準(昭和62年消防庁告示第3号)第6条に規定する消防職員をもって充てるものとする。

3 隊員のうち1人は救助隊長(以下「隊長」という。)とし、消防士長以上とするものとする。

(令5訓令3・一部改正)

(任務)

第5条 救助隊は、救助工作車を運用して救助活動に従事することを主たる任務とする。

2 救助隊は、救助活動に関する事務の処理及び救助資器材の維持管理を行うものとする。

(隊長の職務)

第6条 隊長は、上司の命を受け隊員を指揮監督し、救助活動に従事するものとする。

2 隊長は、常に職務遂行上必要な知識を習得し、技術の向上並びに資器材の整備に努め、職務の円滑な遂行に当たるものとする。

3 隊長は、救助困難対象物の動向の把握に努めるものとする。

(隊員の心得)

第7条 隊員は、職務に従事する場合は、次のことに留意しなければならない。

(1) 救助隊員であるという確固たる信念の下に職務に従事する。

(2) 常に体力及び気力の練成に励み、知識及び技能を修得し、決断力の涵養に努め、救助活動の万全を期するよう努める。

(3) 職務遂行上の各種判断と行動は、客観的に見て妥当性のあるよう努める。

(4) 前3号に掲げるもののほか、職務の円滑な実施を期するため、必要な事項に配意すること。

(隊員の服装)

第8条 隊員は、救助活動に従事するときは、救助服、保安帽のほか編上靴を着用し、又は、災害に応じ防火服等を着用するものとする。

第3章 救助活動

(出動)

第9条 救助隊は、基本規程第44条に規定する出動指令により出動する。ただし、基本規程第25条に規定する応急出動の場合はこの限りでない。

(平21訓令6・平29訓令7・一部改正)

(救助活動)

第10条 救助活動は、他の災害活動に優先して行い、次のことに留意しなければならない。

(1) 救出に際しては、要救助者の人数、位置、幼児、老人及び性別等を総合的に判断し、緊急度の高い順に救出するよう努める。

(2) 救助活動に際しては、救助用資器材のほか、地形、建物、工作物等を有効に活用する。

(3) 隊長は、災害現場で救助活動を行うに当たり、必要に応じて消防隊等の応援を要請する。

(4) 隊長は、内部へ進入する場合は、あらかじめ自ら状況を把握し指揮をする。

(5) 隊長は、活動に際して、隊員の体力、気力、判断力、技術及び経験等を考慮し、適格者に当該活動を行わせるものとする。

(6) 隊長は、救助活動において、その関係者と密接な連絡をとるものとする。

第11条 隊長は、救助隊の任務を的確に判断し、隊員を指揮監督するとともに、危険が予測される場合には隊員の安全を図るため、必要な措置を講じなければならない。

2 隊員は、習得した知識及び技術を最高度に発揮するとともに、救助資器材を有効に活用し救助活動を行わなければならない。この場合において、自らの安全を確保するとともに、相互の安全に配意し、危険防止に努めなければならない。

(令5訓令3・一部改正)

(他隊等との連携)

第12条 救助活動を行うに当たっては、警防隊又は救急隊との緊密な連携のもとに活動しなければならない。

2 警防隊及び救急隊は、救助活動が円滑に実施できるよう協力しなければならない。

3 隊長は、救助活動を行うに当たっては、必要に応じ関係機関と密接な連絡をとるものとする。

(令5訓令3・一部改正)

(活動の移行)

第13条 救助隊は、災害等の現場における救助活動又は隔離作業の必要がないと認めたときは、他の隊に協力し、消火活動又はその他の作業を行うものとする。

(家族等への連絡)

第14条 隊長は、救出した要救助者の状況により、必要があると認めたときは、家族等に対する連絡等について配意するものとする。

(特殊災害の措置)

第15条 隊長は、災害等の現場が特殊災害と認められる場合は、直ちにその概要を現場最高指揮者に報告するとともに、活動上必要な指示を受けなければならない。

2 現場最高指揮者は、前項の報告を受けたときは、救助活動を確立するための必要な措置を講じるとともに、その状況を速やかに福岡都市圏消防共同指令センターに報告しなければならない。

(平29訓令7・一部改正)

(活動の中断)

第16条 署長は、災害の状況、救助活動に係わる環境の悪化、天候の変化等から判断して救助活動を継続することが著しく困難であると予測される場合又は隊員の安全確保を図る上で著しく危険であると予測される場合においては、救助活動を中断することができる。

(評価)

第17条 署長は、救助活動を実施した事例の分析及び評価を行い、その問題点を明らかにし、今後の救助活動及び隊員の教育訓練に反映させる等救助活動態勢の充実強化に努めるものとする。

第4章 水難救助

(水難救助活動)

第18条 水難救助活動は、救助活動のうち、河川、池等(以下「河川等」という。)の水域における水難事故等により生命、身体に危険が及び自ら危険を排除することができない者の救助活動をいう。

(隊の編成)

第19条 隊の編成は、水難救助活動を実施するに当たり、より効果的な救助業務を図るため、特別に隊を編成(以下「水難救助隊」という。)するものとする。

2 前項の隊員のうち、潜水活動に係わる隊員は、自給式水中呼吸装置その他特殊な装備を使用して迅速かつ的確に人命救助を行うため、水難救助技能を有する隊員(以下「水難救助隊員」という。)とし、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第72条第1項の規定による潜水士免許証の交付を受けた者をもって充てる。

3 隊長は、始業時に水難救助隊員の健康確認を実施し、潜水活動が行えないと判断した場合、当日の潜水活動に従事させないものとし、署長に報告しなければならない。なお、水難救助隊員は、勤務中において潜水活動が行えない健康状態と自覚した場合は隊長に申告しなければならない。

(令5訓令3・一部改正)

(任務)

第20条 水難救助隊は、河川等における人命に係る自然的、人為的災害等が発生した場合に、水難救助活動に従事するものとする。

(令5訓令3・一部改正)

(出動等)

第21条 水難救助隊が出動する場合は、救助工作車等のほか、水難救助事案に適応する資器材を積載した災害支援車を運用する。

(令5訓令3・一部改正)

(指揮体制等)

第22条 水難救助活動は、最も困難かつ危険な業務であることから、活動基本規程第2章第3節指揮体制に定めるもののほか、迅速・的確な潜水活動を円滑に実施するため、水難救助隊員を指揮する水難救助隊長を指名する。

(令5訓令3・一部改正)

(隊員の召集)

第23条 署長は、水難救助事案が発生し、又は発生するおそれのあるときには、必要に応じて水難救助隊員を召集するものとする。

(令5訓令3・一部改正)

(潜水業務記録)

第24条 10m以上の潜水活動を実施する場合は、水難救助隊員の健康保持のため潜水業務記録に所要の記録を行うものとする。

(令5訓令3・一部改正)

(水難救助資器材の保守管理)

第25条 水難救助資器材は、常に使用可能な状態に維持し、破損等を起こさないように適正に維持管理する。特に使用後には十分に手入れを行う。

(令5訓令3・一部改正)

(水難救助資器材の定期点検)

第26条 定期点検は精密点検及び外観・機能点検とし、点検結果を署長に報告し、水難救助資器材台帳に記録しなければならない。なお、点検期間等は別表のとおりとする。

(令5訓令3・一部改正)

(健康診断等)

第27条 水難救助隊員の健康診断は、春日・大野城・那珂川消防組合衛生管理規程(平成11年告示第28号)に定めるところによる。

(1) 署長は、健康診断の結果、潜水業務を行うことに健康管理上支障があると判断した場合、その隊員を潜水活動に従事させないものとする。

(令5訓令3・一部改正)

第5章 救助業務計画

(調査)

第28条 署長は、救助業務の円滑を期すため、救助困難対象物についてあらかじめ必要な事項の調査を行うものとする。

(1) 対象物の位置、構造及び管理状態

(2) 前号に掲げるもののほか、署長が必要と認める事項

(教育訓練等)

第29条 署長は、救助隊及び水難救助隊の効果的な運用を図るため、隊員に対し救助活動を行うに必要な知識及び技術の習得並びに体力の向上を図るため、計画的に教育訓練の実施及び救助資器材の整備に努めるものとする。

2 隊員は、教育訓練において救助活動を行うために必要な知識及び技術の習得並びに体力の向上を図り、いかなる災害にも適応できる臨機の判断力及び行動力を養うよう努めなければならない。

3 水難救助隊は、その任務及び性格に鑑み、水難救助事案発生に際し安全、確実、迅速な活動ができるように、常に装備資器材の点検整備を行うとともに、平素から水難救助技術の研究に努め、いかなる場合においても、その技術が発揮できるよう訓練に努めなければならない。

(令5訓令3・一部改正)

第30条 署長は、訓練計画に従い、次の各号に掲げる訓練を実施しなければならない。

(1) 救助技術訓練

 火災に係る人命の救出等に関する訓練

 水難事故、交通事故等に係る人命の救出等に関する訓練

 機械、工作物等に係る人命の救出に関する訓練

 特異な災害に係る人命の救出に関する訓練

(2) 救助用機械器具取扱い訓練

(3) 体力練成訓練

(4) 前各号に掲げるもののほか、救助活動に必要な訓練及び署長の命に基づく訓練

2 署長は、年1回以上救助隊の総合的な訓練を実施しなければならない。

(安全管理)

第31条 訓練時の安全管理に関する事項は、春日・大野城・那珂川消防組合訓練時安全管理要綱(平成11年訓令第15号)の定めるところによる。

第6章 雑則

(雑則)

第32条 この規程の施行に関し必要な事項は、別に定める。

この訓令は、公布の日から施行する。

(平成21年2月1日訓令第6号)

この訓令は、公布の日から施行する。

(平成29年11月1日訓令第7号)

この訓令は、平成29年11月28日から施行する。

(令和5年3月27日訓令第3号)

この訓令は、令和5年4月1日から施行する。

別表

器具

期間

水深計

1箇月

水中時計

3箇月

調整器

3箇月

ウエットスーツ

3箇月

水中無線

3箇月

ボート

3箇月

ボンベ

6箇月

その他の器具

6箇月

春日・大野城・那珂川消防組合消防本部救助業務規程

平成18年10月1日 訓令第2号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第8編 務/第1章
沿革情報
平成18年10月1日 訓令第2号
平成21年2月1日 訓令第6号
平成29年11月1日 訓令第7号
令和5年3月27日 訓令第3号