○春日・大野城・那珂川消防組合消防本部水難救助業務規程
令和7年3月27日
訓令第9号
(趣旨)
第1条 この規程は、水難救助業務を円滑に遂行するために隊の編成及び運用について必要な事項を定めるものとする。
(1) 水難救助活動 河川、池、ダム等(以下「河川等」という。)の水域における水難事故等により生命又は身体に危険が及び、自ら危険を排除することができない者を潜水器具、救助艇、その他の資器材(以下「水難資器材」という。)を使用し、救助を行うことをいう。
(2) 水難救助隊 水難救助活動に必要な水難資器材を保有した救助隊等により編成された隊をいう。
(3) 潜水作業 水面域又は水面下において潜水器具を使用して伴う作業をいう。
(4) 潜水器具 自ら携行する空気ボンベから吸気を受けて潜水する器具をいう。
(5) 水難救助訓練 潜水作業等の練度の維持及び技術の向上を図るため行う訓練をいう。
(水難救助隊の配置)
第3条 消防署長(以下「署長」)という。)は、円滑な水難救助活動を図るため水難救助隊を指定し、消防署に配置する。
(水難救助隊の編成)
第4条 水難救助隊は、水難救助隊長(以下「隊長」という。)及び水難救助隊員(以下「隊員」という。)をもって編成する。
2 隊長は、警備救助係長を充てる。ただし、警備救助係長が指揮を執ることができない場合は、春日・大野城・那珂川消防組合消防本部消防活動基本規程第29条に基づき代行者を指名する。
(隊員の選任)
第5条 隊員は、潜水士免許証の交付を受け、認定を受けた者の中から、署長が指名した者をもって充てるものとする。
(任務)
第6条 水難救助隊は、河川等における人命に係る自然的、人為的災害等が発生した場合に水難救助活動に従事するものとする。
(隊長の職務)
第7条 隊長は、隊員を指揮監督し、水難救助活動の円滑な遂行及び隊員の安全確保に努めなければならない。
2 隊長は、常に職務遂行上必要な知識を習得し、技術の向上並びに資器材の整備に努め、職務の円滑な遂行に当たるものとする。
(水難救助活動の執行)
第8条 署長は、救助を必要とする者の生存が確認されたとき又は生存を確認するための活動、捜索等が必要と認めるときは、救助艇による水難救助活動及び隊員による潜水作業を行わせることができるものとする。
(水難救助活動の基準)
第9条 水難救助活動を実施する場合は、次の各号に定める基準に基づき実施するものとする。
(1) 潜水深度は、原則として無限圧潜水の範囲内で行うこととし、10メートル未満とする。ただし、生存の見込みがある場合又は現場最高指揮者が認めた場合に限り12メートルを活動水深限界とする。
(2) 流速は、1.0ノット以下とする。
(3) 潜水作業時間は、日の出から日没までの間とする。
(4) 水温は、摂氏7度以上とする。ただし、ドライスーツを着用した場合は、この限りでない。
(5) 上記基準以外の条件下であって、現場最高指揮者が照明器具及び救助艇等の資機材を活用し、隊員の能力を総合的に考慮して安全が確保できると判断した場合はこの限りでない。
(安全管理)
第10条 水難救助活動に従事する場合は、潜水業務関係法令及び次の事項を遵守すること。
(1) 水難救助隊は、常に2人以上でのバディ活動を行い、お互いに定められた信号又は合図によってパートナーとの連携を密にし、安全かつ的確に活動を行うものとする。
(2) 潜水作業を開始するに当たっては、潜水時間、ボンベ充填圧力、潜水深度等を確認して活動を開始するものとする。
(3) 隊員の二次災害を防止するため、スタンバイダイバーをあらかじめ定めておくとともに、高気圧障害に対応できる医療機関を確保するものとする。
(4) 水深10メートル以上の場所において潜水作業を行う場合には、日本潜水協会推奨減圧表等を適用し、これに定める作業時間に従い、無減圧潜水を原則とする。
2 流水下における水難救助活動に従事する場合は、次の事項を遵守するものとする。
(1) 流水救助用救命胴衣(PFD)を装着するものとする。
(2) 上流に監視員を下流側にバックアップ員を配置するものとする。
(水難救助活動の中断)
第11条 署長は、第10条に規定する基準に基づき、水難救助活動の実施が困難と判断したときは、水難救助活動を中断することができる。
(隊員の召集)
第12条 署長は、水難救助事案が発生し又は発生するおそれのあるときには、必要に応じて隊員を召集するものとする。
(水難資器材の保守管理)
第13条 水難資器材は、常に使用可能な状態に維持し、破損等を起こさないように適正に維持管理するものとする。
(水難救助訓練)
第14条 署長は、水難救助活動等を行うために必要な知識及び技術の修得並びに当該技術の向上を図るため、水難救助訓練を定期的に実施しなければならない。
(潜水活動計画及び潜水作業の記録)
第15条 隊長は、10メートル以上の潜水作業を実施する場合には、潜水活動計画(高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号。以下「省令」という。)第27条の規定により準用された同省令第12条第1項の作業計画をいう。)を定め、当該潜水計画を隊員に周知するとともに、潜水活動計画・結果表(様式第1号)により潜水作業の記録を行い、当該記録を5年間保存するものとする。
(健康診断)
第16条 消防長は、水難救助隊員に省令第38条に規定する健康診断を実施しなければならない。
2 署長は、健康診断の結果、潜水作業を行うことに健康管理上支障があると判断した場合、その隊員を潜水作業に従事させないものとする。
附則
この訓令は、公布の日から施行する。